不妊と冷えの対処法

冷えは多くの病気を引き起こす原因の一つになります。
この背景にはストレス、自律神経の乱れ、低体温があります。
ストレスの多い現代社会においては、ある程度は仕方がないことかもしれませんが、放置しておくわけにはいきません。

特に、冷えは婦人科系の疾患に大いに影響する場合があり、不妊もその一つと言われています。

一般的に不妊の原因としては、精子の数、運動・奇形率など男性側の要因と子宮、卵巣の状態など女性側の要因があり男女とも等しく責任があるとされています。
しかし、生殖医療を専門に行っている医師によると、年齢とともに子宮筋腫や子宮内膜症のような不妊原因となる病気にかかりやすくなり、月経が終わって間もなく高温期になり排卵が早まることや30歳代前半までは毎周期良好胚が得られるのに対し、年齢とともに良好でない卵子が排卵されてくる事実から卵子の要因が大きく、結果として妊娠率の低下、流産率の上昇を招いているようです。
産婦人科の先生方は妊娠率を上げるために、体外受精や顕微鏡受精などの高度な技術で対応していますが、全ての人が成功するには至っていません。

それではこれら病気の発症や卵子の劣化などの原因は何かと考えてみると、根本的な答えは未だ見つかっていません。
そこで西洋医学的な考えに漢方的な考えと栄養学的な考えを取り入れてみました。

女性は初潮、月経、妊娠、出産、更年期と男性にはない体の変化をします。黄帝内経という漢方の書物によると女性の一生は7の倍数の年齢ごとに節目があり、30歳頃をピークに腎気(生命のエネルギー)が衰えて行くようです。
この移りゆく流れが乱れた場合、東洋医学でいう精神や感情までも包括した「血」のバランスの崩れが原因であると考えられ、様々な症状が見られます。

特に血のめぐりが悪く滞った状態を「瘀血」(おけつ)といい、月経に付随した症状や女性の病気に関与しており、多くは冷えも伴っています。
瘀血の状況において体型、顔色、冷え、月経量、むくみの傾向などにより大きく2つのタイプに分けられます。
細身で青白く、手足に強い冷えがあり、月経量が少なめで、頭痛があり、むくみ傾向の場合に当帰芍薬散を用います。
一方、がっしりしてのぼせて赤い顔色で、下半身の冷えがあり、月経量が多く、下腹部に張りと圧痛がある場合は桂枝茯苓丸を使います。
また、冷え症と唇の乾き、手のほてりがある場合、血の巡りを改善する温経湯を用いますが、漢方で大切なことは自覚症状をじっくりと聞き取ることで、それを改善し、体調を良くすることが、妊娠への近道になります。

また、最近用いられている漢方周期療法は基礎体温表における月経期、卵胞期、排卵期、黄体期それぞれの生理周期ごとに漢方薬を処方し飲み分ける方法です。
これは基礎低温表を深読みしてそれぞれの時期の問題点を見つけ出し処方するので、見立ての力量によって結果が変化することがあり、この方法に精通した専門家に診てもらう必要があります。

そして、もう一つの大事な考え方があります。
不妊症、不育症の最大の原因は「冷え」による子宮内の血流低下と自律神経のアンバランスであり、これにはホルモンバランス、自律神経バランス、免疫バランス、血液循環バランス、エネルギー代謝システムの5つの調和が大切になります。
妊娠を作物の収穫に例えてみて、女性の体(子宮)を畑、卵子(受精卵)を種とすると種(卵子や精子)が丈夫であること、畑(母体、子宮)が肥沃(栄養状態、ホルモンバランスがいい)で耕されている(子宮内膜が着床しやすい状態である)こと。日当たり(血流)が良く、水はけ(尿、便の具合)が良いこと。気候が温暖(冷えがなく)で、四季(高温期と低温期)がはっきりしていること。農薬(強い薬、食品添加物など)をあまり使わないことで良い作物(赤ちゃん)が得られます。

方的な例えをしましたが、局所の問題に対しては栄養療法を利用することができます。
栄養療法は60項目以上の血液検査を行い、生化学的な詳細な解析をして不妊状態の体内環境を詳しく調べ、食事指導とサプリメントの指導を行い、必要な栄養素を細胞に届ける方法です。検査によると不妊男女では典型的に男性の亜鉛欠乏、女性の鉄不足が見られます。
最近ではカロリーをとっている割には栄養素が不足している場合が多いです。
特に糖質の取り過ぎとタンパク質、鉄の不足です。
糖質の取り過ぎにより機能性低血糖症状がおこりイライラが抜けない状態になります。
そしてインスリン抵抗性が高いままでいると、排卵障害や子宮内膜症の原因になります。
タンパク質不足は妊娠に圧倒的に不利な状況になります。
そもそもタンパク質は体を構成する大事な要素で、酵素やホルモンの基となる物質なので、体重1kgあたり1~1.5g(体重50kgの人は50~75g)必要となります。
鉄欠乏では粘膜の代謝がうまく行えず、子宮内膜の構造と機能に異常をきたし、着床しづらい状態になります。
また極端なダイエットをしてコレステロールが低下している場合がありますが、コレステロールは女性ホルモンの材料であり、排卵に影響を及ぼすので野菜だけに偏らず肉も取るようにすべきです。
亜鉛は細胞分裂に関係し、鉄と同様に粘膜、皮膚を作る材料になるので、男性だけでなく女性も積極的にとったほうが良いです。
妊娠を望む方は一度ご自分の栄養状態を客観的にみることで、早く対処法を見つけ、妊娠体質への改善ができます。

病院の治療でなかなか進展しない時に少し目先を変えて、漢方や栄養療法のアプローチをしてみるのも大事であると思います。

また、不妊の大きな要因である冷えに対しては、体全体を効率的に温めることができる琉球温熱療法が力を発揮します。