安全に続けるためにもっとゆるゆるの糖質制限がおすすめ

今では多くの人に知れ渡った糖質制限。

飲食店でご飯を残す人が増えて、お店側もちょっと頭を抱えているとか。

このまえファミレスで近くの席にいたカップルの会話が少し気になりました「今、糖質制限中だしごはん半分残すわ!」と男性の声、「偉いね~」と女性の声。この二人の中では糖質制限はとても良いことだと捉えられているようです。

一方、最近糖質制限ダイエット推進派の作家さんが急死したことにより糖質制限は危険であるといった意見もマスコミを通して多々聞かれるようになりました。以前から糖質制限反対の意見がありましたが、ここにきてヒートアップしているように感じます。

数年前までは糖質制限という言葉はダイエットに取り組んでいる一部の人の間で使われているだけでしたが、今は日常会話に普通に使われており、私はこれほどポピュラーになるとは思いませんでした。もともと糖質制限ダイエットは2002年にアメリカ人のロバート・アトキンス医師が提唱した考え方で、炭水化物を制限する代わりに肉やたんぱく質はカロリーに関係なく、いくら食べても良いというものです。実際この方法をやってみると急速に痩せますが、その糖質制限の厳しさのあまり脱落する人や、肉や油の摂り過ぎでかえって具合の悪くなる人がでてきたために廃れてしまいました。また皮肉なことにアトキンス医師自身も最後は肥満になってしまったようです。

ただ、私は2002年当時、炭水化物のブドウ糖への分解のされやすさを示すにグリセミックインデックス(GI)値のダイエットへの応用とその効果を知り得たことで、アトキンスダイエットは理にかなった良い方法であるとずっと思ってきました。かつて一度私は2013年7月に糖質制限のブログを書きましたが、以来この考えは変わっていません。

現在、アトキンスの基本を踏襲し糖質制限という言葉に代わっていますが、その厳しさや方法が原因と思われる問題がでてきているようです。2012年のイギリスの報告では炭水化物制限を長期に続けると心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるといわれ、アメリカNIHからは死亡率が高まると報告されています。

その一方で、糖質制限は糖尿病を改善し、運動との併用でロコモティブシンドロームを予防できることも報告されています。

もともと日本の1日に摂るべき栄養に関する考え方は1日に必要なタンパク質量、脂肪量を決めてから残りを炭水化物で補う方式のため、どうしても炭水化物が多くなってしまいます。

厚労省の日本人の食事摂取基準2015年版によると摂取割合は炭水化物57.5:脂質25:タンパク質16.5が適当であると示されています。これらは%エネルギーという値で1日に必要なエネルギーつまりカロリーの割合を元に計算されています。厳密にはこの値の求め方は年齢ごとの死亡率が最低な体格(BMI)が一番健康であると仮定し、このBMIを維持するためのエネルギー摂取量と消費量が等しくなるカロリーはどのくらいかを専門家が計算して出しています。

成人のタンパク必要量は0.65g/kg/日とされ、またあらかじめ目標値として脂質は25%と決められており、必然的に炭水化物、糖質は6割近くになってしまいます。低めのタンパク質の必要量設定に引っ張られる形で炭水化物の割合が多くなっている印象です。

例えば、成人男性で1日の必要エネルギーを2000kcalとすると6割の1200kcalが糖質になります。4kcalが糖質1gなので300gの糖質が必要量になり、ごはん一膳150g~180g中の糖質が60gくらいなので、1日にごはんは5杯食べることになります。

ちなみに糖質が体内の脳や腎臓で使われるための最低必要量は100g程度といわれており、また主に絶食時に機能しますが、筋肉のアミノ酸や中性脂肪のグリセロールから肝臓でブドウ糖が作られて補充されるので、1日に300gもの糖質摂取はやや多いと思われます。

しかし、あまりにも糖質摂取が少ないと脂肪酸からケトン体が作られエネルギー産生に使われます。最近ではケトン体の脳での利用やがん予防の栄養、神経の保護作用などいい面もわかってきています。しかし、ケトン体の血管内皮細胞への有害作用も示されてきておりケトン体オンリーでは注意が必要です。では、糖質摂取におけるほどほどの量はどのくらいでしょうか?

糖質制限を研究されている北里大学の山田先生によると一食当たりの糖質量を20~40gとし、かつ1日10gのスイーツを食べて、1日当たり70~130gの糖質にするという緩やかな糖質制限食を“ロカボ”と名付けて普及活動をしています。

そして、この糖質レベルではケトン体の産性を避けながら嗜好品も食べられるため有用な方法であると思われます。

ただ、緩やかと表現されていますが、糖質量を最大130gとすると1日にごはんを2膳は摂れるものの、それ以外の糖質はゼロになってしまうので、おかずの糖質(野菜や豆など)が取れなくなってしまいます。私としてはもう少し緩い基準でもいいと考えています。

私は6年程前から糖質制限をはじめて、ロカボレベルのスタートでしたが、かなり体重が落ちました。またそれ以前からウォーキングをしていたため体重が減りすぎたので、制限をもう少し緩くした経緯があります。

あまり糖質制限をしすぎたり、夜に適度な糖質を摂らなかったりすると困ったことが起こります。つまり睡眠中にエネルギーとして使うべき糖質が少なくなり、代わりに筋肉のアミノ酸から糖を作り利用されるので、せっかく運動で作り上げた筋肉が減少してしまいます。その結果、代謝が落ちてかえって痩せにくい体になってしまいます。

よって、運動を少しでもされている方であればごはんが朝夕に1膳ずつ食べられてかつ野菜や豆などのその他の糖質が取れる150g~200gのゆるゆるの糖質制限で長期間維持した方が、ストレスもなく健康的であると考えます。

もちろん肉やチーズなどのタンパク質は多めにとりますが、糖質もある程度とれているので、貪るような高脂肪摂取まで至らないレベルで落ち着いてきます。

実際、私自身ゆるゆる糖質制限を何の苦も無く続けており、体重の維持ができています。

つまり、厳密な糖質制限ではメリットもありますがデメリットもあることが分かってきましたので、メリットを最大限に生かすためにはロカボやそれよりももっと緩いゆるゆる糖質制限を取り入れる時期に来たかもしれません。

さらに効果を高めるためには野菜から食べて炭水化物は最後にする順番とGI値に基づきパンより米、パスタ、そして、うどんよりそばを選択する頻度を増やす大原則を忘れないようにしたいものです。

photo: diet.lovetoknow.com