健康のためにダークチョコレートをもっと好きになろう

今の健康ブームの中でチョコレートは脚光を浴びております。それを愛する人は多いと思いますが、私もその中の一人です。週に5回は夕食後、お茶と一緒にチョコをつまんでから床に就いています。
しかし先日、海外発の有名なチョコレート専門店で食べたチョコが全く私の口に合わなかったため、おいしいチョコを求めて蔵前まで行ってきました。

今年2月にオープンしたダンデライオンというお店で、元IT起業家の若者二人がサンフランシスコで創業し2店舗目を日本の蔵前に作りました。
この店内だけで世界各地から取り寄せたカカオ豆からチョコレートまで製造し、お客はその場で食することができます。
ここのチョコはカカオときび砂糖だけでできており、他の混ぜ物は一切なし。だからおいしく、お客さんがひっきりなしの状況でした。
メニューもホットチョコレートからブラウニーなどわりと豊富にあることも人気の理由のようですがそれ以外に、私は味わってみて自然に近いシンプルなおいしさを皆さんは求めているのだと改めて思いました。

カカオの木には“神様の食物” テオブロマ・カカオというギリシア語に由来する学名がつけられております。はじめは紀元前1000年ころより中南米で利用され、マヤやアステカの貴族の飲み物として珍重されていたようです。
16世紀にスペイン人によりチョコレートとしてヨーロッパに持ち込まれた頃、はじめは王侯貴族の飲み物でしたが、そのうち体にいいものであると考えられるようになり科学者がテオブロマと学名を付けて、19世紀には砂糖やミルクを加えることにより多くの人が食すようになりました。

カカオの木は赤道から緯度で南北20度以内の地域で栽培されており、ラグビーボール大の実を付けます。この実の中に白い果肉に包まれ約30~40個のカカオ豆があり、実から取り出した後、果肉と一緒にバナナの葉でくるんで発酵させます。1週ほどしてカカオ豆を砕きの皮を取るとカカオニブができます。
さらにカカオニブを炒めてから細かくつぶしていくとチョコレートの元になるカカオマスができます。
カカオマス100g中には脂質50g(オレイン酸32%、ステアリン酸31%)、食物繊維17g(難消化性食物繊維のリグニンが50%)、タンニン4g(ポリフェノール)、テオブロミン(苦み成分)1.3g、無水カフェイン0.1~0.2g、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラル、ビタミンE、βシトステロール(植物ステロール)が含まれています。
このように豊富な栄養素を持つカカオマスがチョコレートに多く含まれるほど機能性を発揮するため70%以上のもの(ダークチョコ)が望ましいとされています。
愛知学院大学の大澤教授によると1日5粒25g(150kcal)のチョコレートを1か月ほど食べることで血圧が低下するそうです。
また先生は、別の認知機能の研究においてチョコレート摂取によりBDNFという脳由来の神経栄養因子が増えて今後認知症の予防に期待がもてるが、これらはみなカカオポリフェノールの抗酸化、抗炎症作用によるものと述べています。
つまりチョコレートの機能性の原動力となるのがカカオポリフェノールと考えられます。そこで各食品100g中のポリフェノール含有量を比較してみると、コーヒー200mg、緑茶115mg、赤ワイン101mg、ブルーベリー300mg、オリーブ346mg、ブロッコリー45mg、クルミ1215mg、アーモンド187mg、ココアパウダー3448mg、ダークチョコレート1664mgでチョコレートには圧倒的な量のポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールはもともと植物が過酷な環境で生きてゆくために作り出した物質であるため、人が食すると苦みや渋みとして感じられます。
5000種ほどあるポリフェノールはお茶のカテキン類、大豆のイソフラボン類やレスベラトロールのスチルベン類など大きく10種類に分けられ、それぞれに得意とする機能を持ち合わせています。
特にカカオポリフェノールは強力な抗酸化性をはじめ、慢性炎症やアレルギー炎症の抑制、動脈硬化予防効果や発がん増殖抑制効果、先ほども述べた脳内機能増進効果など多種多様な機能性を持ち、研究対象としての注目が高まっています。
理想的なポリフェノールの1日摂取量が1500mgという意見がある中、お茶の水女子大の田口先生の研究によると日本人の1日のポリフェノール摂取量は840±403mgでコーヒーから47%、緑茶16%、紅茶6%、チョコレート4%の順でした。
一方フランス人では男性1280mg、女性1120mgでコーヒーからが40%、次いで果物そしてワインの順で、日本人の摂取量がやや少ない印象です。
そこで、もともとポリフェノールの多いチョコレートの割合を少し増やすことにより理想値の1500mgに近づける可能性があります。ダークチョコレート25gで416mgプラスできることを目安に取り入れてみてはいかがでしょう。

チョコレートにより糖尿病患者のインスリン抵抗性が改善したり、心筋梗塞の患者さんの心臓死亡率を減らしたり、またダークチョコレートで下肢末梢動脈疾患患者の歩行機能が改善したり、世界からチョコレートの効能効果が報告されています。
がん患者に対する報告はありませんが、動物実験レベルでは2012年にエピカテキンの含有量の多いココアがin vitroですい臓がん細胞の増殖を抑制した報告があります。また、最近ではココアパウダーの抽出物(プロシアニジン;ポリフェノール)が卵巣がん細胞の細胞内ROSレベルを上昇させることにより卵巣がん細胞をアポトーシス(細胞死)に導き、さらにがん浸潤に関係するpro-MMP2レベルを低下させた報告がありました。

このように期待が広がるチョコレートですが、糖分や脂質が多いため食べ過ぎるとメタボになるので注意が必要です。またミルクチョコレートは脂質以上のの糖質を含む場合が多いので、なるべくカカオ70%以上のダークチョコレートがおすすめです。

寒くなるこれからの季節はホットチョコレートで温まるのもいいですね。