がんと食事

がんと食事の問題はとても複雑です。

がんの患者さまはそれぞれ自分に合った食事療法や栄養療法を既に取り入れて当院へ相談にいらっしゃいます。本を読んだり、セミナーに参加されたりして、多くの方法の中から少なくとも2つ,3つを選択し実践しています。
共通して多いのが玄米食とリンゴとニンジンのミックスジュースです。私自身も食事に白米との混合ですが玄米をとり入れて、野菜、リンゴを摂るようにしています。しかし、その方法ががん患者さんにとって本当にいいものであるかは何とも言えません。
というのも、がん患者さんを採血し栄養解析を行うと必ず栄養不足になっているからです。つまり、がんを予防するための食事とがんになってからの食事を変えてゆく必要があると思います。

まずはがんを予防するための食事について考えてみます。
がんは遺伝子の病気であり、その遺伝子を傷つける主な原因には、日常生活に深く関係するたばこや食生活があります。しかし正常の細胞ががん細胞になり、人を苦しめるような状況になるには、いくつかの段階を経て、20~30年という長い時間がかかります。その意味でがんは生活習慣病であるという考え方もできます。

世界のがん研究では食物とがんに関して、牛・豚・羊などの赤肉とハム・ソーセージなどの加工肉の摂取は大腸がんに対して「確実なリスク」と述べています。
本邦の国立がん研究センターで行われた「赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて」という約8万人の方を対象とした研究(Asia Pac J Clin Nutr. 2011年20巻603‐612)では、赤肉、加工肉の肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で男性の結腸がんリスクが高くなり、赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上)で女性の結腸がんのリスクが高くなりました。また飲酒、肥満は大腸がんリスクを増大させ、運動はリスクを低下させることがわかりました。そして大腸がんの予防には赤肉の摂取を週に500g未満とした方が良く、生活習慣がとても大切であるといえます。

そこで多くの方が、がんにならないためにとり入れている食事療法が玄米や穀物食中心のマクロビオティックです。マクロビティックとは、ギリシア語のMacro(大きい、長い)Bio(生命)Tiqe(術、学)の3つを組み合わせた言葉で、直訳すると(長く生きるための方法)です。

マクロビオティックの食事とは、未精白の穀物・玄米や全粒粉の小麦製品を主食に、旬の野菜をみそやしょうゆといった発酵調味料で調理し、肉・ 魚・ 乳製品・砂糖は控えることが基本です。
動物性脂肪をとらないので、腸の働きがよくなり便秘も解消され、体に負担をかけることなく、栄養を摂るという考え方で、がんのリスクを減らすにはいい方法かもしれません。
しかし、炭水化物が多く、たんぱく質の摂取が少ない印象があります。

私自身は野菜類を徹底して多めに摂り、玄米と白米を3対7にブレンドし、量的に炭水化物を制限する一方、肉、魚などのたんぱく質、乳製品はそれほど制限しておりません。
最近ではコレステロールが低いとがんになりやすいという話や、がん予防に有効なビタミンDの構成成分がコレステロールだったり、体温を上げるための筋肉を作るにはたんぱく質が必要であったりするので、極端に制限をせず、ある程度積極的に摂ってゆく方が健康維持、がん予防にとってよい方法であると思います。

日本山人参がカザフスタンへ

カザフスタンという国をご存じでしょうか。北はロシア、東は中国、南はキルギス、西はカスピ海に囲まれた中央アジアの国です。石油やウランの資源輸出を背景に高成長しており、2011年のGDPの伸び率がなんと7.5%です。この地にイオングループのコンビニ、ミニストップが地元企業と合弁会社をつくり年内に進出し、多店舗展開してゆくようです。

当院では温熱療法の前に日本山人参茶を召し上がっていただいていますが、この日本山人参を生産から販売まで手掛ける会社の斉田さん(代表)が2年ほど前からカザフスタンに行き、山人参の普及活動を行っています。現地の人のお口に合っていることと、糖尿病にいいことから人気が出て来て、最近はカザフ民族医科大学で実際に日本山人参が人にどの程度の効能があるのかを調べる治験が行われました。
その論文を斎田さんからいただき、読んだところ、驚きの結果が出ていました。それは高血圧合併2型糖尿病患者に日本山人参と糖尿病治療薬を併用すると患者の6割の血糖値が正常化するとともに、血管障害のリスクが30~40%低下するというものです。そしてその結果によりカザフスタンの診療所と保養所で山人参の使用が許可されました。これから現地でますます多くの人が日本山人参に触れて健康になり、大きな話題になるでしょう。

そもそも日本山人参とはセリ科の植物で、漢方であれば当帰(トウキ)、柴胡(サイコ)の仲間で、ウコギ科の朝鮮人参とは異なります。朝鮮人参の効能は人参サポニンが鍵を握っているのに対し、日本山人参はクマリン化合物が主に働いています。
クマリンは植物に広く含まれており、抗酸化物質のポリフェノール類として抗菌作用、エストロゲン様ホルモン作用があり、薬ではワーファリンが抗凝固薬として利用されています。

日本山人参の特徴として血流が良くなることが明らかですが、これは交感神経の興奮を和らげる働きと血小板凝集抑制作用によるものがあります。不眠、うつ、冷え症は交感神経優位の状態が続くことが要因なので、山人参の力が期待でき、当院で扱う第一の理由となっています。また、「人は血管とともに老いる」という言葉があるように、動脈硬化の進展を抑えることがとても大切で、山人参は病気だけでなくアンチエイジングにも役に立ちます。そしてなによりも当院で取り扱っているものが他国でも認められた良い製品であることに嬉しさを感じます。

今年より琉球温熱施療後に朝鮮人参のサプリメントをお勧めしていますが、施療前の日本山人参との相性も良く、温熱効果を長続きさせることができます。
日本と朝鮮の優秀な生薬が琉球温熱をさらに引き立たせ、さまざまな病態改善に働くことを今後も示してゆきたいと思います。

しょうがと漢方

毎日厳しい寒さが続く中、私は最近お気に入りの温かい生姜チャイを毎朝飲んで凌いでいます。ほんのり甘く少しピリっとくる生姜の風味はチャイとうまく融和して体を温めてくれます。

一般的な薬では体を温めることはできませんが、ちょっとした食品が体を温められるのは当たり前のようですが結構な効果だと思います。たいした副作用もありません。

しょうがは現在とても流行りですが、漢方において本来手を加えていないものを生姜(しょうきょう)といい、乾燥させた物を乾姜(かんきょう)と呼びます。ただ、現在の日本漢方において生姜(しょうきょう)は生薬としては根を乾燥させたものを使います。かぜの初期症状の治療に使われ、体を温める効果があります。発汗を促し、血液の循環もよくなるので、胃腸の機能低下防止などに使われることもあります。また、鎮咳作用、去痰作用があるので、かぜ薬の成分として用いられています。

表面の皮を取り去り、蒸して乾燥させたものは乾姜(かんきょう)と呼ばれ、興奮作用・強壮作用・健胃作用があるとされています。漢方の処方では「生姜」を入れる処方と「乾姜」を入れる処方があります。一つの考え方として「生姜」は浅いところを温め、「乾姜」は深いところを温めるといわれています。そのため、かぜの初期はかぜがまだ体の浅いところにとどまっていると考え、生姜の入った葛根湯を用います。虚弱で手足が冷えている人の胃腸症状に用いる人参湯がありますが、これはからだの深いところの内臓が冷えている状態と考え、乾姜を使います。

しょうがには辛み成分であるショウガオール、ジンゲロールなどが含まれており、これらが血行を促進して体を温める働きがあるほか、新陳代謝を活発にし、発汗作用を高める働きをします。香り成分のシネオールは、疲労回復、食欲増進、健胃、解毒、消炎作用があります。また、この辛みと香り成分には抗酸化作用があり、老化を防ぎ、がんの発生・進行を防ぐ効果もあるといわれています。

とても体に良いしょうがは沢山の種類の漢方に用いられており、ありがたいかぎりです。しかし、顆粒状のエキス剤を作る過程でショウガオールなど揮発性のあるものは失われることがあります。そこでエキス剤を服用する際は小指大にすりおろしたしょうがを混ぜることで効果をさらに引き出せるのでおすすめです。

この季節しょうがを利用し元気な体にしましょう。

炭水化物制限食とは

糖質は敵か味方か。生きる上で味方であるのは言うまでもありませんが、ダイエットをしている方は多少「敵」と感じているかもしれません。前回のブログでコシヒカリをほめておいて言うのもなんですが、私もそう感じている一人であります。実際に1年ほど前から炭水化物制限、高タンパク食をはじめて腹部、臀部のぜい肉が減り、体重としては7kgほどダウンしました。

炭水化物制限なので全く食べないというのではなく、なるべく食べないようにするという考え方です。そして、カロリーは無視してなるべく多くの栄養素を取ることに重点を置きました。

その方法は

1.朝は欠かさず3食きちんととる。

2.白米だけはなるべくとらず玄米とのミックス(白米7:玄米3)や十穀米などにする。

3.パンは全粒粉、うどんよりそば、具沢山のパスタを選択する。

4.スタートは野菜、そしてタンパク質、脂質、炭水化物の順番で食べる。

5.腹八分目になったら最後の炭水化物を残す。

6.デザート、果物は最小限に

7.タンパクは肉、卵から 油はオリーブオイル中心

上の7つの理由として

1.なるべく飢餓状態を作らないようにすることが大事で、これはインスリンを出す膵臓の負荷を減らすためです。負荷が続くと肥満になりインスリン抵抗性が増して糖尿病につながります。また、血糖の乱高下がおこり精神状態が不安定になります。そのため1回量を加減して1日4食でもいいと思います。

2.3.食後の血糖値への影響を示す値としてGI値(グリセミックインデックス)、GL値(グリセミックロード)やカーボカウントなどがあります。GI値は炭水化物を含む食品を摂取した後の血糖値の上昇する速さを示したもので、GI値が高いほど血糖値(ブドウ糖)が早く上がりやすいということです。私はGI値が高いか低いかで大まかに分けて、なるべく低い食べ物を選択しています。GI値の高いものとしは、白米、精白小麦粉、白パン、精白パスタ、じゃがいもがあり、低いものとして野菜、豆類、全粒粉があります。

すぐに必要な量以上にブドウ糖があると、余分なものは中性脂肪として脂肪細胞に蓄えられ体重増加につながります。また、高GI食は脳のエンドルフィンレベルを上げて気分が良くなるので癖になりやすいことがいえます。

4.野菜をはじめに食べておくと血糖値の上昇が抑えられることが分かっているのでこれは常に心掛けたほうがいいです。そして、栄養素が失われないように生か蒸したものがおすすめです。

5.炭水化物までたどり着かなくてもその前である程度に満腹感が得られればオーケーでまた、満腹でなくても満足であるという癖をつけることが絶対量を減らす上でも大事です。残すと行儀が悪いように感じるかもしれませんが体のために残す勇気も大切です。

6. 甘い果物は食後高血糖をもたらし、果糖の糖化ストレスがブドウ糖より高いことを示すデータもあるので、あくまでも最小限にしておくべきです。糖化ストレスとは糖とタンパクが反応しAGEsという物質が作られる状態を表し、このAGEsは活性酸素を除去するSOD活性を低下させ、動脈硬化や老化を引き起こします。

7.良質のタンパクとオリーブオイルだけでなくω-3系の油(魚、亜麻仁、くるみ)などを選択し日常に取り入れることも大切です。

最後に、毎日続けられる軽い運動、たとえば20~30分のウォーキングなどを取り入れると炭水化物制限食がより効果的になります。

山の子米(やまのこまい)


 
おいしいお米に出会いました。山の子米(やまのこまい)です。

最近私は低炭水化物、高タンパク食を心掛けており

白米、白いパンをできるだけ少なくする食生活を送ってきているので

正直白米の話はするつもりはなかったのですが、あまりにも素晴らしいものなので

ご紹介します。

先日、杉並区にある新渡戸文化学園の学園祭に行ったところ広場にあるステージ上で小学生達がマイク片手にお米の育て方のプレゼンをしていました。

わざわざ新潟県から来た柏崎市の門出(かどいで)小学校の子供たちが、何やら“紙マルチ農法”という特別に手間のかかる方法でお米を作った話でした。

お米を育てる上で大事なことは稲に付く害虫をいかに無くすかで、普通に農薬を使う、害虫を食べる鳥を使うなどの方法がありますが、後者はどうしても完全には駆除できないようです。

また農薬を使うと稲穂は多くつきますが稲が伸びすぎて折れる率が高くなり結果として収穫量が減ってしまい、鳥などを使う自然農法は稲穂の量が少なくなります。

やはり目指すは完全無農薬、有機栽培のコシヒカリなので、そこで考え出されたのが紙マルチ農法です。

 
 

 
簡単に述べますと紙マルチという大きな紙を田んぼに広げてそこに等間隔に穴をあけ苗を植えてゆきます。機械で行う方法もありますが、門出小の子供たちは手作業で植えました。紙マルチの主な特徴は穴から出た苗以外の日光を遮断し雑草が生えないようにすることです。害虫は雑草を伝わり稲に付くので雑草がないと害虫は出ないという理屈です。

そして、紙マルチは水田中の微生物により、徐々に分解されていきます。

稲が生育して陰をつくり、除草の必要が無くなる頃、つまり約45日で紙マルチは分解されて無くなってしまうので回収する必要がありません。

すばらしい知恵とエコ感覚! プレゼンしていた子供たちに思わず感動。

 

そして聞いていた人たちにこの秋収穫した山の子米が配られました。

私もその一人だったので、家で早速炊いてみるとごはんが艶々で輝いて見えました。

真っ先にほおばり、今まで味わったことのない感覚が口の中に広がり、思わずおいしいと大きな声が出てしまうほどでした。

 

いつもは健康を気使い野菜、タンパク質、脂肪、炭水化物の順で口に入れて行きますが、この時に限ってはおいしい白米の魅力には勝てませんでした。

 

門出小のみなさんありがとうございました。