山の子米(やまのこまい)


 
おいしいお米に出会いました。山の子米(やまのこまい)です。

最近私は低炭水化物、高タンパク食を心掛けており

白米、白いパンをできるだけ少なくする食生活を送ってきているので

正直白米の話はするつもりはなかったのですが、あまりにも素晴らしいものなので

ご紹介します。

先日、杉並区にある新渡戸文化学園の学園祭に行ったところ広場にあるステージ上で小学生達がマイク片手にお米の育て方のプレゼンをしていました。

わざわざ新潟県から来た柏崎市の門出(かどいで)小学校の子供たちが、何やら“紙マルチ農法”という特別に手間のかかる方法でお米を作った話でした。

お米を育てる上で大事なことは稲に付く害虫をいかに無くすかで、普通に農薬を使う、害虫を食べる鳥を使うなどの方法がありますが、後者はどうしても完全には駆除できないようです。

また農薬を使うと稲穂は多くつきますが稲が伸びすぎて折れる率が高くなり結果として収穫量が減ってしまい、鳥などを使う自然農法は稲穂の量が少なくなります。

やはり目指すは完全無農薬、有機栽培のコシヒカリなので、そこで考え出されたのが紙マルチ農法です。

 
 

 
簡単に述べますと紙マルチという大きな紙を田んぼに広げてそこに等間隔に穴をあけ苗を植えてゆきます。機械で行う方法もありますが、門出小の子供たちは手作業で植えました。紙マルチの主な特徴は穴から出た苗以外の日光を遮断し雑草が生えないようにすることです。害虫は雑草を伝わり稲に付くので雑草がないと害虫は出ないという理屈です。

そして、紙マルチは水田中の微生物により、徐々に分解されていきます。

稲が生育して陰をつくり、除草の必要が無くなる頃、つまり約45日で紙マルチは分解されて無くなってしまうので回収する必要がありません。

すばらしい知恵とエコ感覚! プレゼンしていた子供たちに思わず感動。

 

そして聞いていた人たちにこの秋収穫した山の子米が配られました。

私もその一人だったので、家で早速炊いてみるとごはんが艶々で輝いて見えました。

真っ先にほおばり、今まで味わったことのない感覚が口の中に広がり、思わずおいしいと大きな声が出てしまうほどでした。

 

いつもは健康を気使い野菜、タンパク質、脂肪、炭水化物の順で口に入れて行きますが、この時に限ってはおいしい白米の魅力には勝てませんでした。

 

門出小のみなさんありがとうございました。

学会シーズン


秋は学会や研究会がいたる所で行われています。

先日は第13回国際統合医学会学術集会に参加してきました。

テーマは「パーソナライズド・メディシンの実践―精神・生存哲学的視点からの提言―」という何か難しそうなものです。

前回、前々回は先端医療の治療技術の報告がメインでしたが、今回はぐっと内面的なお話が多かったようです。

忙しい診療の中ではなかなか考える余裕はありませんが、私たち医療を行うものが生きる意味を見出すことや人生の意味、死生観などが肉体や健康にも大きく影響を及ぼすことを深く認識し、生命哲学を再考する上でいい機会でした。

 

午後のセッションでは私が所属している点滴療法研究会の柳澤厚生先生が

「福島原発作業者に対する高濃度ビタミンC点滴と抗酸化サプリメントによる介入」を

発表しました。

内容は「福島原発作業員に遺伝子解析を行ったところ、癌リスク値が増加した例があり、高濃度ビタミンC点滴療法と抗酸化サプリメントにより正常化した。原発作業者の被ばく予防対策としてビタミンC点滴や抗酸化栄養素の摂取を直ちに実施すべきである。」というものです。また話の中で自衛隊は原発に行く前に必ずビタミンCを取っているらしく、危機管理のプロが実践しているということは、放射線対策には必要不可欠なものであると思いました。

先日もとあるサプリメント会社から福島原発で働いておられる作業員のためにビタミンCや抗酸化サプリを送りたいとの主旨で連絡があり、僅かですがご協力させていただきました。
この学会は医者だけでなく代替・補完療法に携わる方々が参加できる場なので、数多くの有用な情報を手に入れることができます。そして、その情報を基にいろいろな角度から患者さんに説明することができるので今後の診療にとても役立ちます。

温故知新 ブログスタート


このたび新聞で興味深い記事を見付けたので、ブログの形で残して行こうと思います。

 

10月21日の日経新聞 「イレッサ」間質性肺炎で死亡 副作用の仕組み一端解明

 

慶応大、熊本大、日本医大の研究グループが特殊なタンパク質の減少が関与していることを発見。

その特殊なタンパク質はHSP70というもので、肺がん治療薬のイレッサによる間質性肺炎を防ぐ機能があり、これが減少すると肺炎が引き起こされます。

間質性肺炎は治療が難しく肺が徐々に硬くなりガス交換ができなくなって死に至ることもある怖い病気です。

そこでこの研究者たちはマウスを使ってHSP70を増やすことで知られている胃炎、胃潰瘍の治療薬の「セルベックス」をイレッサとともに投与したところ、HSPの量が回復し間質性肺炎の発症を抑えることができたのです。

肺がん患者さんにとっては重大な副作用がなくなるので、とても良いお知らせです。

私が注目したのはセルベックスという薬とHSP70というタンパク質が関係し、副作用の予防という形でがん治療に役立っていることです。


 セルベックスは私が二十数年前医者になりたてのころ、先輩から一番初めに教えられた胃薬であり、今ではクラシックな薬という印象です。

HSP( ヒート・ショック・プロテイン Heat Shock Protein) はショウジョウバエを高温で飼育したときにたくさん増えるタンパク質として1962年に発見されたのでこれもクラシックなタンパク質といえます。HSPはさまざまなストレス刺激で細胞内に誘導されますが熱ストレス(例えば温泉など)が最もHSPを誘導します。そして、HSPは弱った細胞内のタンパク質を修復し再び元気な細胞にする作用をもっており、自然治癒力の源のようです。

 


今回の研究は温故知新と言いましょうか、昔を振り返るだけでなく再構築することで現代の新しい知見となることをダイレクトに示したものだと思います。世の中には忘れ去られたり、見過ごされたりしている過去のものを掘り返すことで現代に生かせるものがたくさん眠っているように感じます。

私はそういった研究が好きです。